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ザッポス伝説


 人に薦められて読んだのですが、評判通りとても面白い本でした。このコーナーは一応「スローリーダーの耽溺読書体験」ということになっているのですが、この本に関しては本当にあっという間に読んでしまいました。第一印象は何と言っても文体がいいですね。ビジネス書でありながら、偉そうなところがなく、純粋な視線を感じます。勿論これは翻訳書なので、原文がどんな感じなのかはまだ確認していませんが、きっと著者は素直な文章を書く人なのでしょう。
 内容的には、ポジティブ心理学の大御所セリグマンやチクセントミハイなどにも言及されていて、ポジティブ心理学的なマネジメントを実践したサクセス・ストーリーというようなことが言われています。しかし読んでみると、ポジティブ心理学を意識してビジネスをしてきた、というよりも、ザッポス社のアマゾンへの売却まで苦労をしながら経営をしてきたところ、後で考えると自分のやってきたことはポジティブ心理学の実践だったということを発見したという方が近いようです。
 創業後10年大きく成長し、アマゾンに12億ドルで売却されたザッポスですが、CEOのトニー・シェイはコア・バリュー、カスタマー・フォーカス、社員や取引先の幸せを重視した経営をしてきました。そのコア・バリューとは、
1. サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
2. 変化を受け入れ、変化を推進する
3. 楽しさとちょっと変なものを創造する
4. 冒険好きで、創造的で、オープンマインドであれ
5. 成長と学びを追求する
6. コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
7. ポジティブなチームとファミリー精神を築く
8. より少ないものからより多くの成果を
9. 情熱と強い意志を持て
10. 謙虚であれ

 カスタマー・フォーカス、バリューリュー、社員の幸せ、これらを掲げる企業は少なくないと思いますが、ザッポスは本当に徹底しています。また、コア・バリューもユニークですね。特に3番などにはザッポスらしさが良く出ています。
 結局とんでもなく稼いだわけですが、トニー・シェイはお金よりも大切なものについてかなり初期から気付いています。例えばザッポスの前の会社をマイクロソフト売却した時には、大金を棒に振って、楽しみ・情熱を優先させたという逸話がありました。
 お金よりもビジョン、意味、崇高な目的を重視する辺りはポジティブ心理学と結び付けやすい部分ですが、個人的には本書で一貫している、ビジネスとは仲間と楽しむものだ、という考えが素晴らしいと思いました。抜群に地頭のよいシェイですが、信頼できる仲間と共に仕事をすることをとても重視し、そこからモチベーションを高めているようです。どこかロック・バンドを作って成功に向かって楽しみながら努力するような、そんな生き方に近いようにも感じました。
 楽しみと共に大変な苦労もして大きく育てたザッポスですが、こんな会社が日本にも出で来るといいですね。あと、アマゾンの子会社になってからも、「ビジョナリ―・カンパニー3」のように大企業病という「成功の復讐」にはかからず、常にクリエイティブであって欲しいと思います。

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