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2011-06

ライブドアとの闘いの日々:ジャンクフロー


 有罪判決が下され入監が決まったホリエモンですが、本書はマスコミが彼を賞賛していた頃からライブドアを怪しい、インチキだと警鐘を鳴らし続けていたNakaido.comによる、これもちょっと古い本です。ちなみにサブ・タイトルは「こいつら初めからインチキだった!!」です。
 また今更、と言われるでしょうが、ライブドア事件にはやっぱり色々考えさせられるのですよね。決して終わった事件だとは思えない。
 ホリエモンはある意味、小泉首相(当時)とともに「新自由主義」を広めようとした人の一人です。「新自由主義」とは、強い者、効率的な組織を優遇してもっともっと強くしそれで日本経済を活性化させる、という考え方です。ホリエモンは「老人はいらない」とまで言ってのける程の極端な例でしたが、当時のITベンチャーの経営陣の多くはこの「新自由主義」を信じていたのではないでしょうか。
 平等、共感、思いやり、などを無視しているという大きな問題はありますが、一方で彼らはそれまでの無意味なしがらみ、無駄な慣習に対して果敢に戦った、という面では評価できるのではないでしょうか。
ホリエモンは話題になってライブドアの株価を上げるという目的があったからか、「儲けることは悪いことですか?」などマスコミに受ける刺激的な発言が多かったのですが、株主重視という資本主義社会の中での正論も語っていた記憶があります。
 しかし「利益さえ出れば何でもいい」「常識よりも手段は問わずカネカネ」といった姿勢はやはり一般人の心を捉えることはできないでしょう。総選挙で、広島県6区で亀井静香氏の刺客となるも当選しなかったのは当然だと思います。有権者もちゃんと人を見ているのですからね。

 ライブドアは結局、本業であるインターネット上のサービスは適当にしておいて「マスコミでの露出と企業買収をネタに、ありとあらゆる手段でライブドアの株価を上げ、そのライブドア株式と株式交換を行うことで大きくなる」というマネーゲームで大きくなった会社です。
 問題は、そんな活動は何のためにされたのか、また稼いだ多額のお金は社会のためになったのか、ということではないでしょうか。
 同じく最近有罪が確定した(こちらは執行猶予付きの様ですが)村上世彰氏は、「灘高、東大、元通産省キャリア、ファンド錬金術師」という華麗なるキャリアを持っていたのですが、結局自ら官僚になってルールを作り、国民の税金を使って、金儲けの糧となる情報を得たあと、退職し民間人となり、メディアの話題を集め、金儲けに走ったわけです。さらに儲けるためにメディアを買収しようと画策までしました。極めて優秀な頭脳を持ってしてはじめて築けるキャリアではありますが、いったいマネーゲームの楽しみ以外の何を求めていたのでしょうか?
 何かに打ち込んで時間が経つのも忘れる状態を「フロー」といいますが、そこではゴールの「意味」が重要になります。そのゴールが意義のない場合や単なる快楽の場合、それは「ジャンク・フロー」と呼ばれます。ゲームソフトなどは巧みにユーザーをこの「ジャンク・フロー」中毒にしようとしているとも言えます。
 確かに、お金を稼げる人が稼ぐのは悪いことではないのでしょうけれど、そこにどんな意味があるのか?何かに貢献するのか?
ホリエモンも村上氏も、あれ以上稼ぐ必要はなかったでしょう。いろいろな組織との関わりの中で辞められない、というのもあったかもしれませんが、やはりマネーゲームという「ジャンク・フロー」中毒になってしまったのではないかと思います。

勝手に営業?


 こんにちは、ユーダイモニアマネジメント㈱の小屋一雄です。
ってなんだかいつもと違うトーンですね。そうなのです。今日はちょっと営業モードなのです。この「勝手にブログれ!」ですが、営業目的でブログを書いたことはないのですよ、実は。
 営業モードで書くぞ、と言うと萩原一平氏が噛みついてきます。
「そんな下品なブログにした覚えはない。これは君の品格の問題だ。」
などと、訳のわからないことをほざきます。
「別に営業しちゃいけない、と握った記憶もないけどね」
「オレはそう信じていた。オレたちの信念のことを言っているんだ」
「一平ちゃんのブログハウスもコーチングやります、とか営業してたよね、2年前くらい」
「まだ人間が出来ていなかった頃の話だ。今はやらない」
「今回の6月のロバート・ディナーのセミナーは?」
「あれはチャリティーだ。しかももう満員でこれ以上人は集められないのだ」
「そんな屁理屈を。。まあいいや。で営業はダメなの?」
「ダメ。決まりは決まりだからね」
「そんな決まり作った記憶ないけど。まあいいよ。そうですか、そうですか。じゃ、何かい、『勝手にブログれ!』っていうけど勝手にブログっちゃいけないんだね?あっそう、それでいーんだ。じゃあこれからは『勝手にブログるな!』とか『決まりをヤブルな!』とか『一平に逆らうな!』に改名した方がいいね。そうだ、そうだ、そうしよう。明日からタイトルを変えましょう。HPのメンテしてくれてる中川さんに早速電話してタイトル変えてもらうわね」
 そう言うと萩原のアホは、真っ青な顔をして言いました。
「分ったよ。じゃ、勝手にブログれよ。あまり下品にならないようにな」

 「ああそうなんだ、下品になっちゃいけないんだ。やっぱ『勝手に』はブログれないんだね」と追い打ちをかけようかとも思ったのですが、少し気の毒になって、この辺で止めておきました。
 さて、何を営業するんだっけ。

 そうだ、そうだ、「強みファシリテーター養成プログラム」でした。
 このプログラムは、ストレングス・ファインダー、VIAーISなどのアセスメントを使って「強みマネジメント」や「強みコーチング」を企業内で内製化するためのプログラムです。今までは頼まれれば実施しましたが、あまり積極的には薦めていませんでした。正直な話、内製化してしまうとリピートにつながらない(萩原氏はこういうところがセコイんだ、と言うでしょうが)というのが1点、それからもっと大きな理由はちょっと時間がかかる、という問題がありました。しかし、色々試しているうちに分ったのは、どんなアセスメントを使うかではなく、どのように「強みマネジメント」を組織の中で浸透させるか、ということが重要なので、内製化プログラムというのは、本気の企業によっては一番理想的なプログラムなのです。しかも工夫すればそれほど時間もかからない。さらに、長年これをやっている弊社ならではのプログラムでもありますし。
 そんなわけで、今回HPの「強みマネジメント」の中にこの企業向け内製化プログラムを加えました。興味のある企業のご担当者は「お問い合わせ」からご一報ください。
 宜しくお願いします。
http://www.eudaimonia-mgt.com/strength_management

日本中枢の崩壊


 2011年5月18日、スイスのビジネススクール・国際経営開発研究所(IMD)は2011年度の報告書「世界競争力ランキング」を発表しました。香港が政府機能と企業機能で高く評価され、59カ国中米国と同列1位。中国本土は19位でした。
 2010年のランキングでは香港は2位、米国は3位だったのですが、今回は両国とも順位を上げました。1位だったシンガポールは3位に転落。台湾は中国との両岸経済協力枠組協議(ECFA)締結が多くの面でプラスに働き6位に浮上しました。中国本土は18位から19位に転落したものの、経済力が高く評価されました。韓国は22位、日本は26位。
 日本は本調査が始まった1990年~93年は1位を誇っていたものの、最近では低ランクが定着しています。
 これを企業分野と政府分野に分けると、政府分野はもはや最下位レベルになります。日本の政府の国際的信用は最低レベルということです。しかしこれは震災前の分析となりますので、震災で落とした政府の信用力は考慮されていません。
 ランキングの上位10位は以下のとおり。(カッコ内は昨年の順位)

1.香港(2)
1.米国(3)
3.シンガポール(1)
4.スウェーデン(6)
5.スイス(4)
6.台湾(8)
7.カナダ(7)
8.カタール(15)
9.オーストラリア(5)
10.ドイツ(16)

 日本の政府がダメなのはもう世界的な常識となっているわけですね。一体何が日本の政府をここまで機能不全にしてしまったのでしょうか?
 その答えの一つが日本の官僚、公務員制度にあるようです。そんな流れで、「日本中枢の崩壊」を読みました。私も官僚主義とは組織のパフォーマンスの足を引っ張るものとして敵視し続けてきましたが、本書を読むとそんな生易しいものではなさそうですね。国を滅ぼしかねないほど邪悪な存在だとも言えそうです。自民党が諸悪の根源だとか、民主党はやっぱり何も出来ない、とか色々言われますが、政党が変わっても結局この役人たちの世界が変わらない限り日本は変わらないのでしょう。
 本書に書かれていることをいくつか紹介します。

・ある日本のメーカーがリーマンショック、ユーロ安で輸出価格を値上げしなければならなくなり、恐る恐る交渉したところ「こんな状況で値上げしない方がおかしい」と快諾された。いままで安すぎると思われていたのだ。それまで常に「安く、安く」を考えていたので、経営陣もこれには驚いた。こんなエピソードに対し、著者は言います。「自分の技術、製品の競争力を利益につなげる経営能力がいかに重要かということだ。現在の中小企業政策の過ちは、経営能力を見ずして技術最優先で企業を選別し、救いの手を差し伸べる点にある。中央の役人は技術、技術というけれど、いくら卓抜な技術があっても、経営力が乏しければ宝の持ち腐れになる。経営能力に欠ける企業は、そのままでは、いくら資金面の支援をしたところで、やがて立ち行かなくなる。」

 ・「現在の官僚に決定的にかけているのが『感性』である。霞が関にいても、耳を澄まし、目を凝らせば、地方の企業がいま置かれている現実に気付く機会はいくらでもある。しかし、霞が関の官僚の多くは、目は曇り、耳は遠くなっている。聞こえてくるのは、政府に頼って生き長らえようとするダメ企業が集まった団体の長老幹部の声や、政治家の後援者のゆがんだ要請ばかりだ。」

 ・「霞が関だけは過去の遺物ともいえる年功序列と身分制度をいまだに絶対的な規範にしている。国民に対して、結果を出せなければ責任を取るべきなのに、悪事を働かない限り降格もない。年金がなくなっても、歴代の社会保険庁の長官は、いまだに天下りや渡りで生活を保障されている。
・実績は関係ないのだから、国民のために働こうという意欲はどんどん失せていく。」

・「官僚の仕事はもともと成果がはかりにくい。年功序列なので、余計に成果は評価の基準にはならない。霞が関の役所の評価基準は大きく分けると二つしかない。
 一つは労働時間、もう一つは先輩、そして自分の役所への忠誠心だ。霞が関では、仕事を効率的にやるという努力は無駄に終わる。だらだらとでもいいから、なるべく長く仕事をしたほうが勝ちだ」

・「霞が関は不夜城と言われているが、実際は夜の7時から9時まで多くの幹部が席を外している。外部との打ち合わせと称して、酒を飲んでいるのだ。上司から、お前も来いと言われれば、若手もついていくしかない」

 ・「東日本大震災で、さらに日本は追いつめられた。これ以上の危機はない。逆にいえば、これだけの聞きに直面すれば、これ以上政治家が自らの利益を優先することはないのではないか-そう期待したい。
 しかし、公務員給与を恒久的に10%カットする方向が打ち出されたが、議員歳費のカットはわずか半年間だけだ。(30%、つまり年15%のみ)」

・ある中国人経営者が言った。「日本人は中国人に勝てない。なぜなら、日本では管理職や経営者までが汗を流すこと、会社に拘束されることが美徳だと思っているからだ。いかに頭を使うか、いかに人を違うやり方を考えるか。いかに効率的に答えを見つけるか、いかにスピーディに決断し行動するのか。それが経営者の競争だ」

 この著者、現役の経産省官僚です。昨年、国会で天下りについての証言をして、仙石由人に恫喝されたあの人です。実際あの後すっかりホされてしまったようですが、公務員制度を改革するためには命でも賭けるつもりなのでしょう。本当に身体を張った人の文章は痛快で面白いです。是非ご一読を。

サルトル


 実はエンゲージメントを語っていたジャン・ポール・サルトル。その入門書を本棚から引っ張り出してみました。さすが、面白いことを言っていますね。高校生の頃サルトル読んだのですけど、何か理解していたのでしょうかね?何となくカッコいいなあと思っていたような記憶はあるのですが。。。
 少しサルトルの思想の一部を紹介します。
 サルトルはフロイトの理論を全面的に否定はしないものの、フロイトがコンプレックスの根拠と考えるリビドー(性衝動)や権力意思は全ての人間に共通する一般的な特徴ではなく、それ自体が根本的な選択なのだ、としています。フロイトが無意識的な闇の中に根源があるとするのに対して、サルトルは、人は常に自由で意識的な選択をしているのだと考える訳です。
 また、サルトルは、プルーストが全体は部分の総和であるとしているのに対し、そのアンガージュマン宣言の中で作家は何をしてもしなくても時代・状況の中に巻き込まれ、作家と時代は影響し合っていると反論します。人はグリーンピースの缶詰の中の一粒のグリーンピースであり、分解できない全体的な存在なのです。世界全体に状況づけられていると同時に、その状況の中で自分を自由に選ぶことによって世界全体を表し示し、状況に意味を与えているのです。
 人間は自由という名の重い翼を持たされている、と語ったサルトルらしい、フロイト、プルースト批判ですね。うーん、哲学本もっと読みたいのだけれど、仕事ができなくなる。。。

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