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谷川俊太郎のインタビュー


 先日NHKで、今日本で一番成功している詩人、谷川俊太郎のインタビューを見ました。
 それ程好きな詩人という訳でもないのですが、78歳で未だに日本の詩壇を背負っている彼の発言はとても興味深いものでした。 
 知らなかったのですが、谷川さんは3回結婚し3回離婚しているのですね。司会者にそれは詩作にとって良かったのか、と問われ、「そんなこと言わせるんですか?」と苦笑いしながらも、そんな体験が自分そのものであって、それがなければ今の自分は違ったものだっただろう、と言っていました。何故結婚は上手くいかなかったかと聞かれると、「詩人は詩言語という美辞麗句と共に生きていて、どうしても生活の中でも日常の言葉とそれが一緒になってしまう。」ととても深いことを言っていました。
 もともと谷川さんは、何かどうしても自分で訴えたいものがあって詩人になった訳ではなく、詩が書けることが分かりそしてその依頼が出版社から来るから生活のために書き続けてきたとのことでした。「つまりずっと資本主義の中で詩を書いてきた」とまで言っていました。
 非常に正直な発言ですね。その他にも自分は本当に生涯恵まれていて、何も思い残すことはない、死もある意味楽しみだ、なんて言っていました。

 詩や音楽の意義については、「意味がないこと」だと言っています。「意味」というものは人間が最近作り出したもので、それまで何百億年も宇宙には「意味」なんてなかった。「意味」を考えると視野が狭くなり、競争になる。確かに詩言語の美しさは意味を介入させないものですよね。「意味」を重視するメタ・コーチングを学んだ者としては、とても考えさせられる意見です。

 彼は78歳のお爺さんなのに、身体がとても引き締まっています。何かスポーツをしているのか、と聞かれ「とんでもない、スポーツなんて身体に悪いでしょ。すこし呼吸法をしているだけです。」なんて言っていましたが、これは以前ミック・ジャガーが小林克也に毎日何キロ走っているのか、と聞かれた時の答えとほぼ同じです。どちらも本気で答えてなんていないのです。
 そういえば、谷川さんとミック・ジャガーの間には何か共通点がありますね。離婚歴も多いし、二人とも資本主義あっての大成功です。かたや悪魔と言われ、かたや心温まる言葉の魔術師と言われる。どちらも資本主義のなかでの仮面なのですね。しかし、それを商業的だと言って嘲笑することは出来ないでしょう。お客や読者あっての芸術活動、実際に歴史に残るのは自分の魂の震えに自己満足しているだけのアーティストではなく、ちゃんとマーケティングしているプロフェッショナルなのでしょうね。

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